74ブックレビュー

2013年7月28日 (日)

ブックレビュー「丹下健三を語る」File.06

ブックレビュー「丹下健三を語る」File.06

建築家丹下健三さんの生誕100年を記念して、

瀬戸内国際芸術祭2013にて、香川県立ミュージアムで展覧会が行われています。

2013年7月10日に鹿島出版会から発刊された

「丹下健三を語る 初期から一九七〇年代までの軌跡」 槇文彦、神谷宏治編著

丹下健三さんと交友のある建築家や芸術家の方々が座談会形式で深く語っています。

なかでも、隈研吾さんらの座談会での斬新な考察や

磯崎新さんが書き下ろされた架空座談会は、その語りに引き込まれます。

要所に使われている挿絵や写真も、その時代を回顧させられ、

考えさせられる機会にて、重厚な内容、読み応えのある一冊です。

芸術新潮2013年8月号

「磯崎新が読み解く知られざる丹下健三」

こちらも読みやすい。

・・・

これまでに訪れた代表的な建築物より、

Tange1

「広島平和記念資料館」 竣工1955年

Tange2

「東京カテドラル聖マリア大聖堂」竣工1964年12月

Tange3

「国立代々木屋内総合競技場」竣工1964年9月

Tange4

「第一体育館と第二体育館」

Tange5

「代々木体育館の催しにて」

今なお、世代を超えて、多くの人が訪れる原宿にある体育館です。

東京カテドラル聖マリア大聖堂 2012

国立代々木競技場 2013

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2011年9月 4日 (日)

ブックレビュー「細川ガラシャ夫人」三浦綾子File.05

ブックレビュー「細川ガラシャ夫人」三浦綾子File.05

9月に入り、NHK大河ドラマ「江」も後半へ。
石田三成と徳川家康の実権争いも激しくなり、
細川ガラシャ(玉子)も巻き込まれ、
キリシタンは自害は出来ないことによる壮絶な最後を。
その出来事により、
徳川家康に形勢が傾き、
関が原の戦いに勝利したともいわれています。
細川ガラシャといえば、明智光秀の娘。
誕生した時は、織田信長の時代。
十四歳、信長の命により、細川忠興と結婚、
十九歳、父、明智光秀による本能寺の変、そして幽閉
二十四歳、玉子受洗し、洗礼名ガラシャとなる。
三十四歳、豊臣秀吉によるキリシタン弾圧に身を隠す。
三十八歳、石田三成による人質、征伐、そしてガラシャ没。
辞世の句、
「散りぬべき、時知りてこそ、世の中の、花も花なれ、人も人なれ」
本格派の歴史小説にて、「江」と時同じく、この激動の時代を感じつつ、
一点の曇りもない、この辞世の句にたどりつくこと、納得します。

「細川ガラシャ夫人」上・下
著者:三浦綾子
発行所:新潮文庫
発売日:1986年3月25日

Shouryuji

玉が細川忠興にお輿入れした勝竜寺城跡を訪ねて。

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勝龍寺城跡(しょうりゅうじじょうあと)
(場所)京都府長岡京市勝竜寺
(交通)JR長岡京駅東口徒歩10分。
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File.04 「かくれ里」 白洲正子 講談社文芸文庫

File.03 「古都」 川端康成 新潮文庫

File.02 「里山の少年」 今森光彦 新潮文庫

File.01 「阪急電車」 有川浩 幻冬舎文庫  

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2011年8月28日 (日)

ブックレビュー 「かくれ里」白洲正子 file.4

ブックレビュー 「かくれ里」白洲正子 file.4

旅で訪れ、感じたことがそのままエッセイに。
訪れた場所の取材、そして論理的な推測まで。
やわらかい文体で楽しく、そして深く、読み応えのある一冊です。
訪れたことのない場所も、読んでいると訪れてみたくなる、
これまで訪れたところも、少なからず、重なる場所やシーンが多く、
なるほど、と思うことも多々あります。
古寺巡礼や仏像、風土を、美という視点で考える、
日本文化を触れる道先案内として感じることができる一冊です。
もちろん、そのほか単行本化されている
私の古寺巡礼、西国巡礼、十一面観音巡礼
と、白洲正子の旅エッセイは、欠かせない。

「かくれ里」
著者:白洲正子
発行所:講談社文芸文庫
発売日:1991年4月10日

Unotaki

白洲正子が、西山の御神体ではなかったかと推測する金蔵寺の産の滝。

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金蔵寺(こんぞうじ)
(場所)京都市西京区大原野石作町1639
(交通)JR向日町駅下車阪急バス「南春日町」下車、徒歩60分。
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File.03 「古都」 川端康成 新潮文庫

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2011年8月 8日 (月)

ブックレビュー 「古都」 川端康成

ブックレビュー 「古都」 川端康成

書店では夏フェアが行われ、
文庫本コーナーも、名作から話題作まで盛りだくさん。
四季折々、京都を訪れる人は多い。
春の桜、秋の紅葉はもちろん、葵祭、祇園祭、時代祭なども。
テレビや雑誌などを見て、観光ガイドやホームページで調べて。
訪れるきっかけはいろいろ。
そして、この一冊を読んで訪れるのも楽しい。
「古都」 川端康成
舞台は京都。
春夏秋冬、その季節を感じながら、ストーリーは展開。
京の名所や行事を細かく取り上げ、描かれて。
1968年にノーベル文学賞を受賞したその年に、
新潮文庫から発行された「古都」。
今もあせることのない美しい文体を感じつつ、
京都を訪れる旅もオススメです。
「古都」
著者:川端康成
発行所:新潮文庫
発行日:昭和43年8月25日

「高山寺では、石水院の広縁から、向いの山の姿をながめるのが、

千重子は好きであった。

開祖、明恵上人の樹上座禅の肖像画も好きであった。

床の脇に、「鳥獣戯画」の複製が、ひろげてあった。

二人はここの縁で、茶の接待を受けた。」 (「古都」 より引用。)

Sekisuiin

川端康成も、この高山寺石水院の縁側から望む山風景が、

印象に残ったのだと思いつつ。

Sekisuiin2

振り返ると、左の床の間に明恵上人の樹上座禅の肖像画。

Sekisuiin3

手前には、「鳥獣戯画」の複製。そして、

Sekisuiin4

小説では、二人はここの縁で、茶の接待を受けたとあり、

川端康成が取材で訪れ、小説に使った設定が、

そのまま変わらず、今もここにあります。

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高山寺石水院(こうざんじせきすいいん)
(場所)京都市右京区梅ヶ畑栂ノ尾町
(アクセス)JRバス、京都駅から55分「栂ノ尾」下車すぐ。
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2011年6月26日 (日)

ブックレビュー 里山の少年

ブックレビュー 里山の少年

小笠原諸島の世界遺産登録などで、
自然に対する関心が高まっています。
今森光彦さんの「里山の少年」を読んでみました。
今森さんといえば、琵琶湖畔の里山を中心に活動され、
第20回の木村伊兵衛写真賞を受賞された著名な写真家です。
NHKスペシャル「映像詩 里山」が2005年に放映。
その中で、針江(はりえ)の三五郎さんの生活が取り上げられ、
川端(かばた)とよばれる生活の仕組みを紹介。
一般に脚光を浴びたことは知られているところですね。
この著者の本は、放映よりも前、1990年頃のこと。
その里山暮らしでの、自然との生活について綴られています。
20年という月日を経て、
その単行本が平成22年に刊行。
いろいろなエピソードが盛り込まれ、
季節を感じながら、
楽しく自然に触れることが出来る一冊です。
カブトムシの住む雑木林の章では、
人里と自然との共生について考えさせられ、
今も、その自然は残っているだろうかと感じることも。

「里山の少年」
著者:今森光彦
発行所:新潮文庫
発売日:平成22年5月1日

自然といえば、
俳優福山雅治が世界を巡るNHKスペシャル「最後の楽園 ホットスポット」
今日、6月26日21時放映最終回「第6回 日本~私たちの軌跡の島」です。
映像クルーが、ナビゲータの福山さんが、何を投げかけてくるか、
こちらも、楽しみですね。

<自然の風景つながり♪>

都内の公園で見つけた小さな主

Tentoumusi2

その主は、てんとう虫。

明るい空へ向かって、顔を出し、

Tentoumusi

気づいたその主は、慌てて、茂みの中へ。

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向島百花園(むこうじまひゃっかえん)
(場所)東京都墨田区東向島3丁目18−3
(交通)京成電鉄押上線「京成曳舟」下車、徒歩10分
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<ブログを読んでくださっている皆さんへ♪>
いつも訪れて頂き、有難うございます。
特に、コメントやメールを寄せて頂いている皆様も、
すべて読ませて頂いております!!。
ホームページにも、訪れさせて頂いております。
引き続き、よろしくどうぞ!!。

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2011年5月22日 (日)

ブックレビュー 阪急電車

ブックレビュー 阪急電車

有川浩さんの新刊文庫本は面白い。
インパクトのあるタイトル「阪急電車」。
一瞬鉄道好きの人が読む本と思うところだが。
京都線か神戸線かと思いながら、興味心身に手に取ると、
宝塚の今津線とあったから意表を付かれて。
降りたことのない駅でも、なんとなく身近な駅を想像してしまうし、
思わず微笑ましい状況もリアリティがあって面白い。
阪急沿線阪急育ちなんて思いながら、
読んでいる人も多くいると思います。
一方で、京阪、阪神、東急、いや近鉄、西武、東武、京急、
それとも京成などシブい沿線の人も、気にせず手に取りましょう。
いずれにしても共感できたり、はらはらしたり、
各駅電車に乗っているように、次から次へと展開していきます。
解説はつい先日、お亡くなりになられた
俳優で、アタック25の司会の児玉清さんとあったから、
その道の本ではないと手にとった人も。
心地よいお天気が続くこの機会に。
ちょっとした空き時間に読むにはちょうどいいです。
「阪急電車」
著者:有川浩
発行所:幻冬舎文庫
発売日:平成22年8月5日

          ・・・

<阪急電車つながり♪>

阪急京都線「洛西口」
1946年(昭和21年)開業した物集女(もずめ)駅。しかし、2年後に廃止。
55年ぶりの2003年(平成15年)に、同じ場所に再開業した洛西口(らくさいぐち)。
阪急電車としても30年ぶりの85番目の新駅に。

Rakusaiguchi

建物が軽く見える扇の屋根が印象的な阪急洛西口駅に、
お馴染み、えんじカラーの阪急電車が右から。
京都市内で、阪急電車が田園風景を颯爽に走る数少ない風景のひとつです。
                  (写真は2005年8月撮影時のもの。)

Rakusaiguchi2

駅ができた小さなこの街は、竹取物語(かぐや姫)由来の地ともいわれ、
竹の里としても知られています。駅名札も竹がシンボル。
後ろにみえるは、西の丘丘陵と西山連峰。

Rakusaiguchi4

東を見れば、左側に比叡山、そして東山連峰。
                  (写真は2009年12月撮影時のもの。)

Rakusaiguchi5

同じ場所も、夜になると、左に駅の照明と阪急電車の灯りのみ、
静かな街に、踏み切りの音と電車の音だけが響きます。
そして右のほうにライトアップされた京都タワーがくっきりと。

   ・・・

そんな街も、2015年には、線路の高架され、そのための工事が。
開発が進む駅周辺は、ショッピングモールや学校が建設予定。
街は、人が増え、にぎやかになっていくとともに、
京都の山並み、大文字焼きや京都タワーなど、
日常、眼にしたのどかな風景は、
少しずつ変わりつつあります。

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阪急洛西口(はんきゅうらくさいぐち)
(場所)京都市京都市西京区川島六ノ坪町
(アクセス)阪急京都線「洛西口」もしくはJR「桂川」下車10分
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